ふらいとの「育児を科学する」

新生児科医ふらいとです。漫画ドラマ・コウノドリの医療監修してました。公衆衛生の視点で新生児医療や育児の科学的根拠を元に発信しています。

2021-01-01から1年間の記事一覧

22週出生時の予後~成育限界~

新生児医療の成績では日本はトップランナーです。 それは早産の診療に長けていて、古くからその診療を行ってきた背景もあります。 母体保護法の制定で日本では1990年から在胎22週以上を蘇生対象としてきたのです。 では在胎22週の赤ちゃんはトップランナーの…

早く生まれたらどう育つ?

「この週数で生まれたら将来どうなるんですか?」 この質問は切迫早産の両親に説明をすると、よく聞かれます。世の親達が「我が子が未熟児になる」事に漠然とした不安を抱えるのは仕方ないことです。誰でも経験のない事は不安なのです。「早く生まれたらどう…

帝王切開で出産すると愛情不足!?

出産した女性を苦しめる言葉に 「お腹を痛めてこそ愛情が湧くもの」 「お腹を痛めた子は可愛い」 というものがあります。痛みを美徳とする日本らしい考え方です。 せっかくの出産が終わり、育児に大変な時期に他の人間にこの言葉を言われた日には腸(はらわた…

格差と赤ちゃん

社会には様々な格差があります。 経済格差、教育格差、男女格差などなど。 それらは赤ちゃん達に影響があるのでしょうか? 人は皆生まれながらにして平等なのでしょうか? 公衆衛生学の視点から検証していきましょう。 子供は社会を映す鏡 格差が赤ちゃんに…